あなたが嫌いなあの無能でバカな社員はなぜクビにならないのか?

キャリア

仕事現場で「こんな奴はクビにすべきだ!」と腹が立つ瞬間、誰しも経験があります。

でも、実際にはあの無能でバカな社員が簡単にクビにならない理由が、ただ単に能力不足だけでなく、組織内の複雑な事情に根ざしているんです。

ここでは、なぜ彼らが温存されるのか、その背景となる7つの理由と具体的な問題点を詳しく解説します。




【社長の親族】

社長の親族であるというだけで、どれだけ業績が悪くても「家族だから」「縁故採用」という理由で解雇されにくくなります。

こうした特別扱いは、真面目に働く他の社員にとって大きな不公平感となり、「自分は頑張っているのに、あいつだけ守られている」という苛立ちを生み出します。

また、親族の解雇は社内の権力バランスを崩すリスクがあるため、経営陣も手を出しにくいのが現実です。

このケースは親族という縁で守られているため個々人がなにか行動して解決するという策が打ち出しづらいでしょう。

経営陣に相談しようにもそこが親族で固められている場合は一族の利益を守ることが優先されてしまう場合があるためです。




【偉い人、直属の上司に気に入られている】

直属の上司に気に入られている社員は、業績や実績に関係なく優遇されることが多いです。

上司の個人的な好みや感情で評価が左右されると、真面目に努力している社員は「どうして自分の成果が認められないんだろう」と不満を募らせます。

昔からの縁やつながりを重視して現状のその人の客観的判断ができなくなっている状況です。

結果、組織内での公平な評価が崩れ、士気やモチベーションの低下を招く深刻な問題に発展してしまいます。






【昔は有能で会社を成長させてきた】

「昔はできた社員」という過去の実績が盾となり、現在のパフォーマンスが低下していても「かつては会社を支えた」という理由で放置されるケースがあります。

こうした状況は、時代の変化に対応できず、改善や革新が阻害される原因となります。

過去の栄光に固執すると、現状の問題点が見過ごされ、組織全体の成長が停滞する恐れがあります。

先ほど述べた直属の上司に気に入られているケースと重複しているケースもあるでしょう。




【その上の上司が無能】

その無能の上司自身が無能である場合、部下の実績や改善点が正当に評価されないことがよくあります。

上司が自分の感覚だけで部下を判断してしまうと、努力している社員の成果が埋もれ、「無能な社員」が目立たなくなる現象が発生します。

このような評価制度の欠陥は、働く社員にとって大きなストレスとなり、組織全体の信頼性を損ねる深刻な問題です。

上司が声の大きい横柄な部下にコントロールされているケースは名ばかり部長、年功序列の日本企業に見られる傾向です。




【社内では無能に見えても、外面が良く顧客を持っている】

社内での評価が低いにもかかわらず、外部との関係構築に長け、顧客からの信頼を得ている社員も存在します。

こうした社員は、表面的な業務能力は低いと評価されがちですが、実際は会社にとって重要な収益源となっているため、解雇が難しくなります。

この矛盾した状況は、内部の努力と外部の実績との間に大きなギャップを生み、職場内に不満を拡大させる原因となっています。

ただ、もしかしたら社内では嫌われ役を買っているだけである意味数字をとってくる有能な社員と言えるかもしれません。






【労働法での保護(特に大企業の場合)】

大企業では、労働法や就業規則が厳格に運用されるため、単に業績が悪い、ミスが多いといった理由だけで解雇するのは非常に困難です。

退職金の支払い、訴訟リスクなど企業側にとっても大きなコストがかかるため、温存されるケースが目立ちます。

この法的な保護は、働く側から見れば「無能な社員がそのまま残るのは理不尽だ」と感じる要因となります。




【そもそも人が集まらない中小・零細企業の場合】

中小企業や零細企業では、優秀な人材の新規採用が非常に難しく、低パフォーマンスの社員を解雇してしまうと、即戦力となる新たな人材を補充するのが困難です。

そのため、解雇することで業務全体に大きな穴が開くリスクがあり、一から育成するコストや時間がかかるため、現状維持が選ばれる傾向にあります。

この経済的な現実が、組織内での低評価を温存する要因となっています。

小さい企業ではリクルートが想像以上に困難であり、また高齢化も進んでおりこのような状況が根付いてしまうパターンが往々にしてみられます。




【解決策】

では、上記のような状況において具体的にどのようなアクションが取れるかみていきましょう。

■【上司や上層部に相談できる問題】

たとえば、直属の上司に気に入られている、あるいは上司自体のマネジメント力不足による問題は、状況によっては上司やその上の人事担当者・経営陣に相談することで改善の可能性があります。

・具体策:

 ・業務実績を客観的なデータで示し、「こういった点で不公平感があります」と上層部に訴える。

 ・360度フィードバックや定期的な面談を活用し、改善のための議論を促す。

会社というのは利益を追求するのが究極の目的なので、そこを阻害する非合理的な部分は改善されるべきです。

そこの話がわかる方にロジカルに説明することで改善するチャンスはあるでしょう。

会社の存続を真剣な考えている経営陣が一番説明しやすい相談相手です。


■【解決が難しい、または根本的な制度の問題】

社長の親族である、昔の実績に頼り過ぎているなどの問題は、個々の社員が自力で解決するのは難しく、組織全体の構造や文化に深く根ざしているケースです。

・具体策:

 ・こういった問題はどうしても内部からの改革が難しいため、もし自分自身がその環境で苦痛を感じ続けるのであれば、退職や転職も選択肢のひとつになります。

 ・退職を考える際は、自分の市場価値を客観的に評価し、転職エージェントなどと相談して、より公正な評価が得られる職場環境を模索するのも一案です。




【まとめ】

以上、なぜあの「無能でバカな社員」がクビにならないのか、その背景にある7つの理由を解説しました。

社長の親族という特権、上司の気に入られる評価、昔の実績に固執する風土、無能な上司による不適切な評価、社内と外部の評価ギャップ、厳格な労働法の保護、そして中小企業ならではの採用難と育成コスト。

どれも、個人の能力だけでは解決できない、組織全体や制度に根ざした問題です。

これらの背景を理解すると、働く側として「なぜ自分は正当に評価されないのか」という疑問や不満が、単なる個人の問題ではなく、組織の仕組みそのものに起因していることが見えてきます。

多くの職場で同じような問題が複雑に絡み合っており、その結果、無能な社員が温存され、真面目に働く人たちのモチベーションが低下してしまうのです。

この現実を知ることは、まずは自分自身のキャリアや働き方を見直すための第一歩です。

理不尽に感じる状況を理解し、どうすれば自分がより評価されるか、またはどのような環境で働くべきかを考えるきっかけになるでしょう。

組織の変革は容易ではありませんが、現状を冷静に見つめることで、将来への選択肢や改善のヒントが必ず見えてくるはずです。

この記事が、あなたの職場での不公平感やストレスに対する理解を深め、組織全体の問題点を客観的に捉える手助けになれば幸いです。

現実を知ることは、次へのステップに進むための大切なスタートラインです。

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