職場でのやり取りは、ときにイライラや怒りを感じさせる場面があるものです。
しかし、たとえどれだけ感情が高ぶったとしても、怒りを表に出すことは避けるべきです。
若いときはいいのです。
下っ端で丁稚奉公している時は怒りたくてもなかなか怒れないし、それに慣れている人は比較的感情のコントロールがうまいです。
問題なのは仕事の責任感が高まってきた中年から役職がついてきた老人たちです。
権力を持っているのをいいことに自分の感情のコントロールができない、我を失ってる、もしくは気持ちが良くなってしまっているのかもしれません。
しかし昨今、その代償は大きいです。
今回は、怒りがもたらす悪影響や怒りを抑える方法、そして職場での建設的なディスカッションの重要性について説明していきたいと思います。
1. 怒りの感情は自然なもの
職場でのプロジェクトや業務において、思い通りに進まない場面やミスが続いた時など、イラっとすることは珍しくありません。
部下や後輩が重要な締め切りを過ぎてしまったとします。
周囲への影響が大きく、思わず怒鳴りたくなるかもしれません。
しかし、その感情をそのまま表に出すのは避けるべきです。
まず先にやるべきことは声を荒げて部下を委縮させることではなく被害を最大限にとどめることですよね。
物事には優先順位があるので挽回できる余地をすぐにさぐりましょう。
怒りは一時的なものなので、普通の人であればその間に人を怒ろうという気持ちも消えていき建設的な方向に思考がいくはずです。
怒りの表現方法次第では長期的な問題を引き起こす可能性がありきをつけなくてはいけません。
2. 怒りがもたらす悪影響
信頼関係の崩壊
例えば、チームリーダーや情事の立場で関係者や部下に対して、会議中のミスを厳しい口調で怒ったとします。
部下は「ミスをする度に怒られるのでは」と萎縮し、自分の考えを積極的に発言しなくなってしまいます。
結果として、チームの中での信頼関係が崩れ、コミュニケーションが円滑でなくなるのです。
決して建設的な議論やディスカッションをするなということではなく言い方と態度に気を付けないといけないという話です。
職場の雰囲気の悪化
怒りの連鎖が他のメンバーにも伝わり、職場全体がピリピリした雰囲気になります。
激しい口調に対しては激しい口調で返したくなるものですよね。
上の立場から下の立場への怒りはその人を追い詰めてその職場のことを嫌いなるでしょう。
会議で怒鳴られた後、同僚とのランチでその話を愚痴として話したとします。
その場にいた他のメンバーも「次は自分かもしれない」と不安を感じ、チーム全体の士気が低下するのです。
噂となってあなたの評判も悪くなるでしょう。
怒りが癖になる
一度怒りを爆発させると、次も怒りやすくなる傾向があります。
一度部下を怒鳴ってしまった後、同じようなミスが起こる度に怒りが抑えられなくなり、怒りが「習慣」化してしまいます。
人間一度経験してしまったことが基準となり次の行動の障壁が低くなります。
結果として、怒りを表に出すことが自己制御できなくなり、周囲から「感情的な人」として見られるようになるのです。
3. 怒りによる後処理の大変さ
一時的な感情に任せて怒ってしまった後、その場の関係を修復するのには多くのエネルギーが必要です。
部下に対して不満を感情的にぶつけてしまったとします。
その後、部下との関係を改善するために話し合いを設け、誤解を解消する作業が必要になります。
同僚と意見と意見の交換で建設的な議論をしていたはずなのに、いつの間にかその人の行動や態度を批判するようになり話をできる雰囲気を作れなくなってしまっては本末転倒です。
自分から話しかけるか相手が来るのを待つか変な駆け引きに時間を割くことが自分や会社のためになるでしょうか。
このような無駄な後処理は、時間と労力の浪費であり、本来やるべき業務にも影響を及ぼします。
4. それでも建設的なディスカッションは行う
決して勘違いしてはいけないのが、じゃあ問題が起きないように黙っていたら一番いいのかということですが、そうではないですよね。
怒りを抑えながら相手の意見のみにフォーカスして、建設的なディスカッションを行うこともプロフェッショナルとして重要です。
相手を不快にさせたくない、自分が嫌な気分になりたくないからといって問題点を黙っているのは、問題解決に繋がりません。
プロジェクトの進行について意見があるものの、言わずに黙っていたとします。結果として問題が解決されず、プロジェクトに遅れが生じる可能性があります。
プロフェッショナルな対応とは、相手に対する配慮をしながらも、問題解決のために必要なディスカッションを行うことです。
相手がとんでもないバカである可能性もありますが、その場合はこちらの記事を参考にして解決策を探っていきましょう。
5. 怒りをコントロールする具体的な方法
その他記事でもまとめていますが、こちらで怒りをコントロールするための具体的な方法をいくつか紹介します。
感情を一度客観視する
感情が高ぶった瞬間に、一歩引いて「自分は今怒りを感じている」と自覚することが重要です。
そのために、心の中で「私は怒っている」と認識することで、冷静さを取り戻すことができます。
怒っている人を見ているとちょっと滑稽ですよね。
自分を客観視して怒りに任せることがいかにばかげているかを思い出してみましょう。
深呼吸や短い休憩を取る
怒りが抑えられないと感じたら、その場で深呼吸をするか、一時的に席を外すことで冷静さを取り戻すのも有効です。
同僚のミスに腹を立てたとき、席を外して深呼吸し、気持ちを落ち着けてから対話を行うことで、怒りに任せた対応を防ぐことができます。
あんなにも夜怒っていたのに寝たら翌日なんであんなに怒ってたのだろうと思ったことがありませんか。
勇気をだして時間に頼りましょう。
建設的な言葉を選ぶ
怒りを感じていても、相手に伝える言葉は慎重に選びましょう。
「どうしてそんなミスをするんだ!」ではなく、「このミスはどうすれば防げるか、一緒に考えましょう」と言えば、相手を責めることなく改善策を話し合うきっかけになります。
言い方と言葉の使い方でその人の印象は全く異なります。適切な言葉を選べる人になりたいですね。
6. 結論: 怒りをコントロールし、プロフェッショナルな姿勢を持つ
職場での怒りは、短期的にはストレス解消になるかもしれませんが、長期的には自分の評価やキャリアに悪影響を与えます。
また、怒りを爆発させることで無駄な後処理が増え、本来の業務に集中できなくなるリスクもあります。
建設的なディスカッションを通じて問題解決を図り、冷静な感情コントロールを保つことで、周囲との信頼関係も深まり、自分自身の成長にもつながります。
感情に流されずに対処することで、プロフェッショナルとしての資質が高まり、職場での成功が手に入るでしょう。
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