会話の中で「ただ聞いている」状態、いわゆる「受動的に聞く」場面に心当たりはありませんか?
人がプレゼンをしている時や会議での説明中に話してくれているのにあまり内容が入ってこないことはないでしょうか。
受動的な聞き方とは、相手の話を聞いているようで、実は内容を受け流してしまう状態。
会議が終わった後に結局何もあたまに残ってないと時間を無駄に過ごしたにすぎず、ネットフリックスでも見たほうがましでしょう。
職場でのコミュニケーションを円滑にするためには、「能動的に聞く」ことが重要です。
ここでは、受け身ではなく積極的に相手の話を引き出すための「能動的な聞き方」について、そのメリットやテクニックを説明していきます。
受動的に聞く vs. 能動的に聞く:その違いとは?
まず、受動的な聞き方と能動的な聞き方の違いを押さえておきましょう。
受動的に聞く
ただ相槌を打ちながら聞き流し、話を覚えていなかったり、相手の意図を深く理解していなかったりする状態。
音は聞こえてくるものの話が耳から耳へと抜けていくだけで頭の中で処理されずに何も記憶に残っていない聞き方です。
受動的な聞き方では、相手に関心を寄せていない印象を与えかねません。
会議の後に何か質問されたり意見を聞かれてもほぼ理解できていないので答えられずに気まずい雰囲気になります。
能動的に聞く
相手の話をしっかりと理解しようとし、質問をしたり、要約して確認するなどのアクションを伴う聞き方。
頭や手を動かして記憶に残るような態勢で聞くことができています。
頭の中で要約したり、仮説と照らし合わせたりしてフル回転で脳みそを使っており、能動的に聞けている人は通常、会議終了後はかなり疲れているはずです。
積極的に関わることで、相手に「自分の話を聞いてくれている」と感じてもらえるため、信頼関係の構築に役立ちます。
なぜ「能動的に聞く」ことが重要なのか?
仕事の場やプライベートでの対話で、能動的に聞くことが求められる理由は、次のようなメリットにあります。
信頼関係が築きやすい
相手が「自分の話に興味を持ってもらえている」と感じられるため、自然と信頼感が高まります。
特に職場や取引先との会話では、この信頼が円滑なコミュニケーションを促進し、関係性の改善にもつながります。
会話が深まり、相手の意見を引き出せる
聞き手が積極的に話に関わることで、相手もより話しやすくなり、深い話題や本音が引き出しやすくなります。
これにより、会話が表面的なものにとどまらず、内容の濃いコミュニケーションが実現します。
問題の早期発見や迅速な解決ができる
能動的に聞くことで、相手の悩みや課題にすぐに気づき、適切な対応を取ることができます。
職場では、問題の早期発見と解決の迅速化により、ミスや遅延を防ぐことができます。
能動的に聞くための具体的なテクニック
次に、日常の会話の中で使える能動的に聞くための具体的なテクニックをいくつかご紹介します。これらを実践することで、聞き上手になり、相手との関係がより良好になるはずです。
アイコンタクトと相槌で「聞いている」姿勢を示す
相手の目を見て話を聞き、うなずきや「なるほど」といった相槌を加えることで、相手に安心感を与えます。
これは聞き手の姿勢としても重要で、「聞く姿勢」を視覚的に示すことで、相手も話しやすくなります。
話の要点を要約して確認する
話の終わりに「つまり○○ということですね」と要約して確認することで、相手は「自分の意図を理解してもらえた」と感じられます。
また、話の内容を整理して確認することで、次にどんな質問をしたらいいかも自然と見えてきます。
自分のアイデア、仮説と比較する
ただ人の話を耳に入れてそれを要約する過程だけでは集中力を欠いてしまうこともあります。
話の中で自分のアイデアや仮説と照らし合わせることで、話し手の意見をより具体的に記憶にとどめることができ、要点をまとめたり質問を考えるのにとても役立ちます。
共感や関心を示しながら質問する
能動的に聞くには、話の途中で相手に質問することも効果的です。
「それはどういうことですか?」「その後どうなりましたか?」といった質問は、話の流れを止めることなく、相手の話を深掘りするのに役立ちます。
メモを取る
長い話や複雑な内容を話す相手に対しては、メモを取ることでより正確に理解する姿勢を見せられます。
特に職場では、メモを取ることで後から振り返ることができ、話を正確に把握しているという信頼感にもつながります
仕事や人間関係に生まれる変化:能動的に聞くことで得られるメリット
ここでは、能動的な聞き方がもたらす変化について具体的に解説します。
仕事でのパフォーマンスが向上する
職場での会話やミーティングにおいて、能動的に聞くことで相手のニーズや要望を深く理解し、的確に対応できるようになります。
結果として、プロジェクトの精度が向上し、無駄なミスや誤解も減少します。
家庭や友人との関係が改善される
仕事場だけではなく家族や友人との会話で能動的に聞くと、相手は「話をちゃんと聞いてくれている」と感じ、信頼が生まれます。
家庭では、相手の考えや気持ちに共感できる機会が増え、問題が解決しやすくなり、会話も増えて円滑なコミュニケーションにつながります。
能動的に聞く習慣を身につけるためのトレーニング方法
最後に、能動的に話を聞く習慣を身につけるためのシンプルなトレーニング方法をご紹介します。
毎日、相手の話を要約してみる
日常の会話で話し相手に対して要約して確認するクセをつけましょう。
例えば「つまり〜ですね」と要点をまとめてみることで、自然に能動的な聞き方が身につきます。
1日に3回、質問を挟む
毎日、少なくとも3つの会話で質問をしてみることを意識すると、相手の話に興味を持ち、深く聞く姿勢が養われます。
「この人はどんな考えで話しているのだろう?」と関心を持って聞くことで、話をより楽しむことができるでしょう。
結論:聞き上手は「話し上手」の第一歩!
受け身で聞くのではなく、能動的に聞くことで、相手と良い関係を築きやすくなります。
今日からぜひ、能動的な聞き方を意識してみましょう。家族や友人、同僚との会話の中で、少しずつ実践してみると、大きな変化が現れるはずです。
「聞き上手」な人になることは、良好な人間関係の鍵であり、人生を豊かにする第一歩です。
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